患者さんが亡くなりました

歯の根の治療中の患者さんが

「1ヶ月も来なくてすいませんでした」

と言う。

 

聞けばおばあちゃん(正確には患者さんの母親)が亡くなったそうで、初七日が終わったので再び来院したそうである。

 

おばあちゃんは長いこと自宅で車椅子生活を送っていて、訪問診療で歯を抜き、入れ歯を作った。調整が終わって「何かあったらいつでも呼んでくださいね」と言って2年ほど会ってなかった。

娘さんが治療にくる度に「大丈夫ですか?」と聞いていたのだが、問題なく食べられていると言っていた。

「最後まで食べられましたか?」と聞く。

「最後の日は水しか飲めなかったけど、前日までは食べられてました」と聞き安心する。

104歳の大往生だそうだ。

 

10年ほど前にも102歳でなくなった患者さんがいた。

俺の母親が葬儀に出た時、患者さんの息子さんに

「朝ご飯はしっかり食べて、昼に亡くなりました」と言われたそうだ。

 

人生100年時代と言われているが、本当に100歳まで生きる人が増えたなぁ...と思う。歯医者なので自分の仕事が気になるのだが、最後まで口で食べられて人生を終えるのは悪くない死に方だと思う。

 

かと思えば現在訪問診療中の患者さんは、最初に行った時に「入れ歯が合わなくて食べられない」という主訴だったので、新しく作り始めたのだが、みるみるうちにレベルが落ちていった。

最初は車椅子に座って会話ができていたのだが、そのうち会話ができなくなり、寝たきりになり、いよいよ入れ歯完成という時期に家族から「意識がなくなって...」と電話があり治療が中断した。たかだか1ヶ月の間にである。

もっと早く呼んでくれてたら結果が変わっていたかもな...と思うと残念だ。

 

「口で食べる」事に対しての意識が低いのか、訪問診療がある事を知らないのか、「もっと早くに呼んでくれれば...」「こうなる前に歯医者に来られたはず」という患者さんはまだ多い。

歯医者として、やらなければいけないことは、まだまだいっぱいあるなと思う。

(医)聖湘会

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