「噛む」ということ

介護保険摘要の口腔ケアを希望している方のお宅に行ってきました。

 

元々は2次診療所の患者さんで、その後二次診療所に通うのが大変になったので在宅での治療を希望するとのことで訪問診療をしていた方である。

2次診療所でも何度か担当したことがあったのでスムーズに診療できた。掃除をして、入れ歯を作り、調整して、大きな虫歯の歯は抜いた。

 

元々は上の前歯だけに入れ歯が入っていたのだが、下の奥歯もないので入れ歯を作ることを薦めた。

「前歯はないと格好悪いですけど、今は噛む力が落ちて柔らかいモノしか食べてないので...」と最初は入れ歯を作るのを躊躇していた。

(ちなみに患者さんは失語があるので、娘さんが対応)

しかし、「噛む」という行為は、「食べる」というためだけではない。飲み込むという動作にも非常に重要なのである。

(試しに上下の奥歯を噛み合わせないでつばを飲み込んでみるといい。どんなに飲み込むのが難しくなるか分かる)

ということで、入れ歯を作って調整した。

 

その後、1ヶ月ぶりの訪問で口腔ケアについて説明をしに行ったのだが、「入れ歯どうですか?」と聞いたら、入れ歯を作ってからむせも減り、前は食事に1時間かかることもあったが今は20分程度で食事が終わるとのことであった。

1日3回の食事時間が1回40分短縮されれば計2時間!介護する人の負担も大きく減ったと思う。

 

「噛む」という行為は「食べる」だけのものではない、「飲み込む」だけでもない。実に様々なことに関わるのだ。実際、高齢者の転倒も奥歯が噛めるということで大きく減ることが分かっている。

 

近くに要介護の方がいる方、もし柔らかいモノしか食べられない状況であっても奥歯がないなら是非入れ歯を作ってあげてください。本人にも周りの人にもきっと良い効果が現れますから。

(医)聖湘会

よしだデンタルクリニック

 

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