令和元年初の多職種共同研修に参加してきました。
テーマは「その人なりの自立支援を目指すためのサービス担当者会議とは」
要介護認定を受けたり、その後利用者さんの状態が変わった時に行われるサービス担当者会議。歯科医が呼ばれることはまれです。実際、医師が参加した会議は全体の5%だそうで。私自身、退院時のカンファレンスにお声がけされたことはありますが、サービス担当者会議に呼ばれたことはない。
何故、歯科は呼ばれないのであろうか?
「その人なり」「自立」「支援」のキーワードがある。
「その人なり」というのは、杓子定規で考えないということだろう。孤独が好きな人に、無理矢理グループに参加させるのはいかがなものかと思うし、同じような状況でも不満に思っていることは人それぞれ違うから。
「自立」というのはリハビリや介助によって、できることを増やそうということだと思う。健常者と同じまでという話ではない。
「支援」は本人のやりたいことを、本人以外の人達が支えることによって実現していこうという事だと思う。
言葉遊びになるのは好きではないので細かく分析はしないけど、「本人の希望に合わせて『したいことができるようにするには?』をそれぞれの専門家が知恵を出し合って話し合う。」という事だと思う。対象になるのは高齢者が多いはずだ。
で、歯科は呼ばれることが先ずないわけですが、実際訪問診療なり訪問口腔ケアに行くと、口の中がボロボロであることが少なくない。
なのに何故?本人や家族の要望がないからであろう。
「痛くならなきゃ歯医者に行かない」人生を送ってきた人は、「その人なり」で言えば、痛くなきゃ歯科とは関わらないであろう。家族も介護関係者も「痛くならなきゃ歯医者に行かない」人達ばかりなら尚更だ。この研修会に参加している人達に定期的に歯医者で検診を受けている人はどれくらいいるのか聞きたかった。
そこから直さなくては、歯科がサービス担当者会議に呼ばれることはないだろうなぁ...
まだ、「痛い」と言えるうちはいいけど、言えなくなった時に大変な思いをすることになる。痛くて食べられないのに周りは気付かない。「食べる量が減った」「食欲ないのかな?」から体重が減り、筋肉量が減り、ADLが下がっていく。飲み込みも上手くいかなくなる。誤嚥性肺炎のリスクが高まる。寝たきりに近づく。
実際、歯の治療をして食欲が増えた人をいっぱい見てるから言えるけど、健常者の時の「あたりまえ」ができなくなるのが要介護だ。要介護状態になる前に生き方を考えなきゃならないんだけど「歯科の啓発が足らないんじゃないの?」と言われると歯科医側にも問題はあるのだと思う。思うからブログに書いているのである。