「かかりつけ」について

皆様の中には「かかりつけ」のお医者さん、歯医者さんがあるという方も多いと思います。おそらくそれは「何かあったらあそこの先生に診てもらう」というものであると思います。しかし、コロナ禍の状況において、かかりつけだと思ったお医者さんに診てもらえないという状況がうまれています。

「ワクチンをうってもらおうと思ったが断わられた」「コロナになり自宅待機になったが訪問診療はしてないと言われた」そんな話を少なからず聞きます。そして、その負担はワクチンを打っている医師、訪問診療をしている医師にふりかかっています。休日を返上し、診療時間を過ぎても訪問診療をしています。

ワクチンを打たない医師、訪問診療をしない医師を責めるつもりはありません。皆さんそれぞれに事情があるでしょう。私も歯科医師としてなんでもできるわけではありません。できないことがあるからこそ、できることを増やそう、どうやったらできるか？を考えてきましたし、できないことはできる先生に繋げるようにしてきました。

コロナ禍になる前から思っていたことですが、「一生のお付き合い」を謳っていながら、患者さんの状況が変化すると「ウチでは診れません」という歯科医師が少なからずいて、患者さんは途方に暮れるケースが多発していました。実際にあった話ですが歯科恐怖症の方がいました。診療所で診療を受けると恐怖心から血圧が急上昇し診療を受けられなくなってしまうので、私の診療所のＨＰを見て訪問診療をしていることを知り、家でならば大丈夫かもしれないので来てもらえないか？と電話がありました。電話で詳しくお話を聞き、二次診療所に紹介状を書きました。「診てもらえるところがあるとは思わなかったので良かったです」そう言って患者さんは帰っていきました。

何が言いたいのかというと「あなたが思っている『かかりつけ』は、本当にかかりつけとして相応しいか？」を今一度考えてほしい」ということです。何をしてくれるのか？何をしてくれないのか？そしてできない場合にしっかりとできるところに繋げてくれるのか？是非、医師に聞いておいてください。寝たきりになるなどのご自身に変化があった時、今回のコロナ禍のように世の中に変化があった時、「ウチでは診れません」と突き放されて途方にくれることのないように。

本当に困った時に力になってくれるのが「かかりつけ」です。